え ん

人生は連鎖する、

教育実習事前所感

 

 

 

ゴールデンウィーク明けから3週間、遂に教育実習です。

多くの先輩方からの助言を頂戴し、自分なりの教育実習への想いをまとめてみました。

1ヶ月後、これらの想いにどう変化があるのかを楽しみに、今は今の気持ちを率直に好き放題書いていきます。

 

まず、私は今、本気で高校の世界史教員を目指しています。

今のところ自治体の第一志望は東京なので(東京都は中高で共通試験)、中学社会ももちろん視野に入れています。ただ、高校教師として、職に就くことが1番の目標です。

 

 

自分が高校生だった頃の話をします。

 

私は、高校なんて、大嫌いでした。

当時行きたかった高校に入れたし、別に勉強が嫌いなわけではありませんでした。(理数系はできなかったけれど)

でも、正直、高校生活を楽しむなんて、私の頭の中の辞書にはなかったんです。

壊れかけた家庭の中でその日その日を生きていくことに必死だったし、足しても足してもゼロを掛けてしまう自尊心が次第にマイナスに傾き始め、最終的には心身が完全に崩壊していきました。

 

今、教職課程の講義を受けたり、それなりに教育や心理学に関わる本を読んだりして、当時の私を取り巻く環境は、本当に健全ではなかったな、と思います。もっと専門的な治療を受けるべきだったし、もっと逃げる場所や居場所、安全基地を提供されるべきだった。微かな自尊心を削り、僅かな意欲さえをも踏み躙った英語教師や顧問はもちろんのこと、担任の、ガラスケース越しからの綺麗な励ましや甘い手作りのパウンドケーキも、当時の私には悲しすぎるほど残酷な凶器でした。

使い古された表現ですが、「異常な状況下では、異常な反応をすることが正常なのだ」というフランクルの言葉に、私は心から救われています。

 

 

 

 

教育実習で、授業を担当するのは2年生だそうです。

ちょうど私と10個歳が離れていることになります。

この10年で、私は大っ嫌いだった学校の、教師をここまで本気で志している。

人生というのは、何があるか、どんなことになるか、本当にわからないですね。

 

 

十七歳になる彼らは今、何を思い、この社会を見ているのだろう。

 

 

今の社会、世界、時代は、明るいとは思い難いものがあります。

世界史教師を志す身として、こんなにまで世界は歴史から何も学ばない、学べないのか、と絶望に似た気持ちを抱きます。

いつまで続くかわからない戦争、マスク生活、物価上昇、気候変動の中、SNSなどで、「カッコ悪い大人たち」というものが簡単に拡散されている世の中です。そもそも何がカッコ悪いことなのかを判断する材料も、見たいものだけを見ているという現実もわからなくなっています。多様性、人それぞれ、十人十色といった言葉に踊らされて、逆に保守的で思想や分断する価値観に、ある種の潔さまで覚えてしまう状況も否めません。そんなわけのわからな世の中で、彼らは来年、「成人」となるのです。選挙権だけじゃない。裁判員裁判で、一人の人間を裁く立場になる可能性も、ある立場に立たせられるのです。

 

 

 

そんな世の中でも、

あなたはあなたの力であなたのために幸せになって良いのだと、

誰かの犠牲の下で成り立つ正義なんて、嘘っぱちなのだと、

ご機嫌に楽しく笑って生きて良いのだと、

もしそうなれないなら、大きな声で周囲に助けを求めて良いのだと、

今のあなたの苦悩、違和感、嫌悪する感情は、必ずあなたを強くするのだと、

 

私は今の子どもたちに訴えたいのです。

 

 

 

 

 

教育実習中の目標は、2つあります。

まず、笑顔で元気に3週間、ベストを尽くし切ることです。

身体が資本なので、過度に睡眠時間を削ったり、食事を疎かにしたりすることのないよう、基本的な生活を落ち着いて行います。

そして、たくさんたくさん、失敗することです。恥をかくことです。

控室に篭って教材研究に明け暮れたり、失敗やお叱りの言葉を恐れて一人でああでもないこうでもないと思い巡らしたりせず、たくさんの生徒と交流し、先生方を観察し、自分の目指す教師像を洗練化させたいです。

 

 

 

それでは、実習後に、また更新します。