え ん

人生は連鎖する、

孤をひとりで描く


生きていても

良いことなんて無いんだなぁ


って

今でもちょっと、いやかなり、思うのだけど


たぶんそれは

しあわせのハードルが高いだけなのだ

たとえば

布団のなかあったかいとか

走った後のカフェオレおいしいとか

そういうことで良いだけなのだと

ちゃんと気づいている(ふりをしている)




失くした何かや欠けた思いだけを

指折り数えて

手の指だけじゃ勿論足りなくて

まだある足の指さえも

足りなくなることに怯えて

記憶は何度も何度も再生ボタンを押してくる

一時停止する優しさは

一時的で何の解決にもならないことぐらい

ちゃんと理解している(つもりなだけだ)







本当は



生まれてきてここまで

いろんなことあって今生きてるってことがどれだけすんごいことなのか

あの頃よりはマシだって考えかたがどれだけ大切なことなのか

私はたぶんまだ知らない



誰も彼もが嫌いだ

大嫌いで大嫌いで大嫌いだ

出逢わなければ良かったひとの数が

これ以上増加し続けるのが怖いから

語らなくても済んだ思い出の数が

これ以上更新されるのが怖いから

だからもう誰も彼もが嫌いだ

自分に厳しく

誰よりも自罰的に生きているようで

同じ鋭さを持ったナイフを

不特定多数の他人に振り回しているだけだと

私はたぶんまだ悟れない




愛だとか平和だとかいうことば

そもそも定義すら知らないくせに

どんなにコンパスで弧を描いたって

ひとりなら円になるわけないだろうに

きっととりあえず罪を背負っていれば

とりあえず底知れぬ痛みを感じていれば

誰かが立ち止まってくれる(はずだ)から

誰かが恵んでくれる(にきまってる)から

わかってるよ

とりあえず自分のせいじゃないことにできるから

宗教なんて

社会なんて

歴史なんて

そんなものだよ






裏切りだと言うほど

表立った行動なんてしていないのに

いつから私は

必死に絆創膏や包帯を探しているのだろう

他人を傷つけたくない優しさは

自分が傷つけた罪悪感を背負いたくないだけなのに




自分以上に大切に思える宝物が見つけられないんだ

そう思えるようになるまでの時間が無いんだ

ああだからそうやって

自分がカワイイって

自分で認められないから困っているんだ





馬鹿な真似ができる奴は頭が良いとか言うけどさ

頭が良いなら馬鹿な真似なんかするなよ

正々堂々気取って高みから馬鹿をバカにして馬鹿を食い物にしてしまえばよいのに


ああ

そうやって

部屋のなかで馬鹿にしている雪景色から

馬鹿にされることを恐れているだけだ




夢なんて山みたいなものだよ

遭難しそうになったら下るなよ

そんなこと言ったって

自分以外に守りたいものが今は見つけられないんだ



私はいつまで

弧を描き続けるのだろう