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思い出したくない過去、って、たぶん誰もが持っているものだと思う。

それを俗に、黒歴史、とか暗黒時代、って表現するひともいる。

 

 

過去。

そう、過去だ。

 

 

私は最近、ずっとその二文字から意識的に目を逸らそうとしていた。

考えないように、見えないように、感じないように、覚えないように、もう二度と蘇らないように。

カタカタと沸騰した薬缶のようにフタが鳴り響くこともあったけれど、それでも私は目を向けることをしなかった。たとえ一瞬でも、そのフタを開けてしまったら、私はもうここには戻れない。そんな気がした。もう、絶対、ここの地点まで戻ってこれない。フタの中に眠るそいつは、まるで宇宙の彼方のブラックホールのようだ。そいつは大きな大きな口で、小さな小さな私を呑み込んでしまうだろう。どろどろの胃液に塗れて、私はいつの日か溶けていって、そいつの一部になってしまうのだ。

 

 

 

 

 

私は優しい人が怖い。

 1年くらい前、こんなだらだらと長い記事を書いた覚えがあるけど、今は優しい人が「怖い」のだ。

mercy07s.hatenadiary.jp

 

 

優しい人は、マシュマロが入ったココアのような甘い言葉で、私を何かから守ろうとしてくれる。3時間前から電源を入れていた電気毛布のような温かさで、私を無条件で包み込んでくれる。

 

そのぬくもりが、どうしようもなく、どうしようもなく、私を惑わせ、混乱させ、不穏にさせるということに、優しい人は気づいてくれない。

 

 

ねえ詩織、

そのココア、もう何杯目?

その毛布に触れたのは、もう何度目?

 

薬缶から、熱い熱いお湯が溢れる。

ドロリとした黒いものも出てくる。その正体を、私は知っている。

 

 

 

 

 

お願いだから、フタをさせて欲しいんだ。

今だけで良い。

私に「あの頃」と言わせないで欲しい。

その時の景色、風、匂い、音楽、感触、声色、雰囲気、味、痛み、温度、その全てを、今だけで良いから、封印したいんだ。

 

そうじゃなきゃ、私、もうこの先に行けなくなるんだ。もうここには戻れないんだ。

もう一生、きみの隣に居られなくなるし、この先に出会う新たな人と素敵な景色を見ることも、出来なくなるんだ。

 

 

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ね、だから、

今から話す、これからの話に、私と一緒に、花を咲かせて欲しいんだ。